今回は「売上と教育を同時に実現する商品ラインナップの作り方」を紹介していきます。
「良い商品だけど売れない」って悩みのある人が学ぶのは、、、
- セールス力をつける
- コピーラインティング力をつける
- 心理学を勉強する etc…
いろいろありますが、ほとんどが「戦術」の話が多い気がします。
「戦略なき戦術」なんていいますが、いくらテクニックを強化しても、事業設計がぐちゃぐちゃだと商品を売るのは難しいです。
今回の話は「戦略・事業設計」の話です。
なので、テクニックの話はでてきませんが、それよりももっと重要な「自然と売れる」を実現するための話ができると思います。
良い商品が売れない理由
商品・サービスを販売しているなら、自分の商品を「この価格なら、自分だったらすぐに買う!」と思っているはず…でも、売れない。
この理由は、お客さんと自分の価値観や経験、知識、にギャップがあるからです。
「教育」のゴール
マーケティングを勉強している人なら、DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)を聞いたことがあります。
「集客 → 教育 → 販売」という流れで、ごり押しで買ってもらうのではなく、お客さんに「教育」をしてストレスなく商品を買ってもらうマーケティング手法です。
商品が売れない…というのは、DRMでいう「教育」がされていないということです。
逆に、「教育ができている」=「商品を欲しい状態」ということです。
もし、自分がもう一人いたとして、自分が良いと思った商品をオススメするとすぐに買ってくれるでしょう?
「教育」のゴールは「自分と同じ価値観になってもらう」です。
「価値の階段」をのぼってもらう
自分と同じ価値観になってもらうための「教育」を視覚化するために「価値の階段」という概念を理解しておくと便利です。
人の価値観は一気に変わることは少なく、少しずつ価値観がかわっていくことが多いです。
つまり、高すぎる階段だとお客さんは上ることが難しいですが、上りやすい階段だとスムーズに価値観が変わっていきます。
■ 価値の階段
良くない「価値の階段」の例:
- いきなり高額商品を案内する
良い「価値の階段」の例:
- 記事や動画コンテンツを案内したり、無料体験などを案内する
さて、どの方法で教育する?
最終的には自分と同じ価値観になってもらうことが「教育」のゴール。
では、次に課題になるのは「どんな教育の方法を選ぶのか」です。
教育の方法はたくさんの方法がありますので、その一部を紹介します。
■ よくある教育方法
- 記事や動画コンテンツで教育
- セミナーで教育
- 商品で教育
- 無料相談
- お試し体験 etc…
商品で教育をする
今回の記事で焦点を当てるのは「商品の作り方」なので、教育方法の1つの「商品で教育をする」という方法を紹介します。
下の画像がイメージをしやすいと思います。
お客さんが商品を買えば買うほど、価値観の共有や教育をされるので、高額商品であっても価値を感じてもらうことができるようになります。
価値の階段の作り方
価値の階段をスムーズにつくることができれば、お客さんはスムーズに商品を購入してくれます。
ここでは価値の階段の作り方をステップで紹介します。
■ 価値の階段の作り方
- ターゲットと理想の状態を決める
- 目標達成の障壁を書き出す
- 中間の状態と段数を決める
- その状態を満たせる商品を決める
- 複数のパターンの価値の階段を決める
1,ターゲットと理想の状態を決める
まず、1ステップ目は「ターゲットと理想の状態を決める」です。
言語化すれば「どんなお客さんをどんな状態にしたいのか」ということです。
僕の経験したビジネスで例をいくつか紹介しておきます。
① 集客代行
- ターゲット:集客に不安のある人が
- 理想の状態:集客の不安が解消されて安心してビジネスができる状態
② エステ
- ターゲット:肌の悩みで不安・自身のなさがある人が
- 理想の状態:肌を褒められて、自分に自信がある状態
③ 整体
- ターゲット:体の痛みで日常生活を苦労している人が
- 理想の状態:痛みから解放されて、より健康的に楽しく生活できる状態
2,目標達成の障壁を書き出す
2番目は、ターゲットが理想の状態になるまでの障壁を書き出す必要があります。
箇条書きでもいいので、思いつく限り書き出していきましょう。
■ 集客代行の場合
- 集客の手段を知らない
- 有料集客で赤字になるのか怖い
- 無料集客で継続ができない
- ビジネスの数字管理ができていない など
思いつく限り書き出すと、100個くらいでてくる人もいるかもしれません。
書き出した障壁を全て解消すれば理想の状態になる!というくらい細かく書いてみてください。
3,中間の状態と段数を決める
3つ目は「中間の状態と段数を決める」です。
ここが高すぎると次の階段を上ることはできませんし、低すぎるとたくさん階段が必要になります。
適切な階段の高さの設定を意識しないといけません。
4,その状態を満たせる商品を決める
4つ目は「その状態を満たせる商品を決める」です。
状態を設定してもそれを満たす商品がないと、中間の状態を目標達成することはできません。
どんな商品があればその状態にすることができるのか考える必要があります。
5,複数のパターンの価値の階段を決める
最後の5つ目は「複数のパターンの価値の階段を決める」です。
もし、ターゲットと理想の状態が1つのパターンであれば問題ありませんが、複数のパターンがある場合にはその状態に合わせたパターンを用意する必要があります。
似ているターゲットであれば、階段の1段目だけが違って、2段目以降は同じ。というパターンもあるかもしれませんが、まったくターゲットが違うのであれば全く別の価値の階段を用意する必要があります。
価値の階段は「金額」ではない
ここで1つ注意ポイントですが、価値の階段は金額の大きさの順番ではなく、お客さんの状態を考えて最もスムーズに上ってこれるようにつくるのが良いです。
とは、言っても結果的に
- 初めて買う人
- 何回も買ってくれてる人
この2人を比較すると、金額設定の違いとそれに応じて、提供できる価値の大きさも変わるので、基本的には価値の階段は全体的に金額も大きくなる傾向があります。
しかし、金額は大きくなるのは「結果的に」であって、あくまでもお客さんの状態の変化をベースに価値の階段を組み立てるのがオススメです。
価値の階段をセールスファネルに
自分のビジネスを価値の階段を作ったら、次はそれをセールスファネルに転換する必要があります。
セールスファネルっていうのは下のようながものです。
上の画像のようにだんだんとお客さんを絞って区別をすることです。
このセールスファネルをつくるためにも「1つだけの商品」ではなく「商品ラインナップ」が必要になります。
単一サービスの場合
僕がこの話を聞いたのは、僕が整体をしていた時でした。
整体ってやってることは「施術」だけだけど、どうやって商品ラインナップを作ったらいいの?
僕の整体と同じように「1つのサービス」しかない人もいると思いますが、その時は「パッケージを変える」のがオススメです。
■ 整体のパッケージの変え方
- リラクゼーション
- お試し体験
- 痛みを改善する整体(マイナスをゼロに)
- メンテナンスの整体(マイナスを防ぐ)
- 美容整体(ゼロからプラスに) など
こんな感じで「施術」1つの商品でも、目的によってパッケージを変えることで商品ラインナップを作るのがオススメです。
理想の状態までの距離とターゲティング
最後の項目になります。
価値の階段をつくることでお客さんの状態の変化を軸にした自分のビジネスの構造を視覚化できます。
その価値の階段を使ってビジネスを改善するとしたら「理想の状態までの距離とターゲティング」を改善するのがオススメです。
■ どの段階の人をターゲットにするのが良い?
例:僕の集客代行の場合
- 集客を何も実践していない
- 無料集客だけ経験があって苦労している
- 広告集客に失敗した経験がある
→ 3の広告集客に失敗した経験のある人が最も理想の状態に近いターゲット
理想の状態に近い人をターゲットにする方が、自分と価値観が似ているので教育することが少ないです。
そのため少ない過程で商品購入を期待できます。
またその一方で、理想の状態までの距離が近いと、ターゲットが絞り込まれることになるので、人数を少なくなるので集客コストが高くなります。
このバランスを考えて「どの状態の人をターゲットにするのか」を改めて考えるとスムーズに商品が売れる設計を作ることができます。
商品ラインナップの事例
この記事では、商品ラインナップの作成事例を紹介します。
今回の商品ラインナップの作成の事例は、LINEでこちらの返信をいただいた方を事例にさせていただきます。
詳しい状況の整理
上の画像だけでは、ビジネスの詳しい内容を整理できないと思いますのでビジネスの状況を少し整理します。
■ 事例の状況
- 業種:整理収納アドバイザー
- ビジネスの内容:お片付けサポート、家事代行
- 商品構成
- 無料相談
- お試しお片付け作業
- 本作業
- 家事代行
- 悩み:お試し作業 → 本作業 の移行率が悪い
- 想定している原因:単価が高いから、納得できる作業内容ではないから。
価値の階段でいうと下のイメージです。
今回の想定している障壁は「金額が高い」「想定できる作業内容ではない」なので、まとめて言ってしまえば「上手く価値が伝わっていない」になります。
「追加の出費」は売れない
よくあるケースなのですが商品を買ってもらうのに、今までの習慣になかった出費をしてもらうのはかなりハードルが高いです。
逆に、いつもの出費の代替品として提案すると比較的に簡単に売ることができます。
このような観点から、商品を購入する見込み客として「未経験 → 同ジャンルの経験者 → 類似サービスの経験者」です。
価値の階段
今回の事例である「お片付け・家事代行」であれば、価値の階段の作り方はこのようになります。
大事なのは上の図の赤字の部分です。
お片付けサポートに価値を感じないというのは、言い換えれば「自分でも同レベルにできる」という意識があることが予想できます。
赤字で「自分ではきない」「かなり時間がかかった」とありますが、自分でやってもらうことでお客さんの中に「基準」をつくってもらうことができます。
例えば、お客さんが1日10時間かけて作業をしたけど、イマイチ片づけなかった…。
そこでお試し作業で3時間を依頼すると、理想的な部屋の状態になった。
このような「基準」があるから自分の商品・サービスの価値を感じることができます。
商品づくり
先ほどの価値の階段のような状態にお客さんをするために、その状態にするための「商品」が必要になります。
今回は下の図の価値の階段を満たす商品として、2つのパターンを想定しました。
■ 想定する2つのパターン
- 自分が片付けができるサポートサービスをつくる
- 自分で片付けをするコンテンツ商品をつくる
パターン1
1つ目のパターンとして「自分が片付けができるサポートサービスをつくる」です。
例えば、簡単な講座やスクールで自分での片付け方を教える、もしくは電話やチャットなど遠隔で指示を出したりして片付けのサポートをするサービスです。
■ メリット
こちらのパターンのメリットの1つ目は「お客さんとの距離感が近くなる」です。
お客さんと電話やチャットなどで1対1のコミュニケーションをとるので、距離感が近くなり次の商品購入の成約率アップが期待できます。
■ デメリット
個別対応なら1対1、講座やスクールであれば1対多で対応になり、いずれも自分の時間が必要になります。
そのため価格はそれなりに費用対効果に合う設定をしないと、自分の働く時間ばかりが増えて、売上や利益につながらない可能性があります。
またそれに伴って、価格が高くなると購入者が減ることも予想できます。
お客さんにとっても最もお金を払うタイミングが高いのは、初めてその人にお金を払う時です。
なので、理想を言えば、1回目の支払いは小さい金額の商品の販売がオススメです。
パターン2
2つ目はパターンは「自分で片付けをするコンテンツ商品をつくる」です。
例えば、テキスコンテンツや動画コンテンツで自分で片付けをする方法を作成して販売する方法です。
■ メリット
メリットとしては、コンテンツなので一度作ってしまえば自分の時間を使わなくても商品提供ができることが最大のメリットです。
また、自分の時間を使わないので低価格にすることができるので、購入率もサービスよりも高くなることが予想できます。
■ デメリット
デメリットとしては、「お客さんとの距離が近くならない」「成果がでにくい」の2点です。
1つ目はお客さんとの距離が近くならないということです。
最終的には本作業や10万円を超える金額の商品を販売するのでできれば、適切な距離感になって信頼を獲得する必要があります。
2つ目は「成果が出にくい」ことです。
コンテンツ商品なので、大きく言えば「本」と同じ部類になり、広いターゲットに当てはまる商品内容になりやすいです。
お片付けの本をみて、結局、片付けができないのと同じように「成果がでにくい」です。
また、内容が広いターゲットになること以外にも、矯正力がないので実際に作業をするかどうかはお客さんに依存します。
安い商品でもあってもお客さんの満足度が低ければ、次の商品購入にはならないのでこのデメリットを解消する施策が必要です。
僕ならどうするか
最後に、上のような2つの選択肢がある中で僕ならどうするか?
僕の場合は「サポート付のコンテンツ販売をする」です。
コンテンツとしては「初心者向け」にして期待値を下げた状態にしておいて、見た目で変化がわかる程度だけど、確実に成果がでる基礎的なことを約束する内容にします。
わからないことがあったら質問ができる環境にしておいて、距離感が近くなるようにします。
コンテンツ購入者の2つの反応
自分で片付けをするコンテンツを買った人は2つの反応が予想できます。
- もっと自分でできるようになりたい
- 面倒だからやってほしい
この2つのパターンが予想できるので、2つのパターンにあった上位コンテンツを用意するのがオススメです。
2のパターンは今までと同じお片付けサポートになるので問題ないと思いますが、1の場合は商品がないので個別に訪問して片付けの指導をするようなパッケージがいいのではないかと思います。
まとめ:一番のポイント
この記事では、商品ラインナップの考え方を元に「価値の階段」→「商品ラインナップ」の揃え方の一部を紹介しました。
一番のポイントは「価値の階段」を正しく認識することです。
今回の例で言えば「お片付けサポートに価値を感じていない」という悩みに対して、お客さんがどんな状態になれば価値を感じるのか?と見出すことが最も大事なポイントになります。
それが適切にできないと、その次のステップの商品作成もズレてしまうので、上手くいかなかったら「価値の階段」を何回も考えてくださいね。